NBF Nihon Buyo Foundation 公益財団法人 日本舞踊振興財団

日本舞踊とは

「日本舞踊」の歴史を紐解く時、それは非常に古く今から1300年も前に遡らなくてはなりません。西暦712年に成立した日本最古の歴史書である「古事記」に、すでに日本舞踊の原型ともいうべき記載を見出すことができるからです。

アメノウズメノミコトという女神が野外において、草を着物や頭に飾りつけ、笹の葉の束を手に持って、大きな桶の上に乗り、足を踏み鳴らしながら我を忘れて踊り狂ったとあります。

これは現在、舞台で上演されている「日本舞踊」で使用されている小道具、或いは表現方法としての足拍子の表現があり、まさしく古代に日本舞踊の原点があることが証明されます。

しかしこれはあくまで出発点であり、長い年月を経て様々に発展をしてきた「日本舞踊」の次なるエポックは17世紀初頭、今から400年ほど前の出雲の阿國(イズモノオクニ)の出現に顕著です。

京都で「念仏踊り」と称されている芸能を舞台で上演したのです。
伴奏に笛や太鼓が使われており、舞台芸術としての「日本舞踊」の基礎ができあがった時代といえます。

その後、現在にまで続く日本舞踊の流派が起され、各流派で門弟を育成していきます。流派を継承して伝統を保ち、且つその規模を拡大してきた西川流、藤間流、坂東流、花柳流、若柳流等の大流派を先駆として、近世、近代になると新しい数々の流派がいくつも創流されました。

それらの流派も含めて現在まで上演されている数々の「古典舞踊」や「素踊り舞踊」の作品が作られるようになり、20世紀初頭からは「創作舞踊」の作品も徐々に発表されるようになります。当初は各流派による交流はほとんどありませんでしたが、時代が下るに従い互いの垣根は段々低くなり各流派の優秀な舞踊家同士の共演が盛んになっていきます。日本舞踊界にとって豊穣な舞台が頻繁に上演されるようになった所以でしょう。

現在の日本舞踊界はおよそ5000人のプロの舞踊家が日夜活躍しており、全国の様々な会場で日本舞踊の公演が開かれています。